2013年06月28日

ブータンGNHツアー2013・春参加感想文【2013春GNHツアー報告集より】

素朴、信仰、ヒマラヤ、民族衣装、GNH、立憲君主制、国王夫妻、というキーワードをもつ幸せの国という耳学問で、是非いつか行ってみたという思いがあったので、今回絶好のタイミングで参加でき満足しています。いろいろな場所を訪れ、生活に触れ、話を聞き、交流する経験ができたことは、観て回る型の観光とはふた味くらいは十分に違う中身の濃いツアーであり、そのナマケモノ倶楽部らしさが、この国にはよく似合っており、私などの還暦超えの男にとっても毎日がわくわくの連続でした。GNHインタビュー、ぺマさん宅のパーティやダムジ村のホームステイ、キャンプファイヤー、温泉、ドルジおじさんどれ一つとっても観光というより、参加して人と触れ付き合う体験が大変新鮮でした。もちろん、桃源郷というような、来る者の勝手な思い込みとは違う国の形や人の暮らしがあり、こちらはそのごく一部分を撫でた程度の体験かも知れませんが、とてもゆっくりした時間の流れの中で人々が動き、祈り、そして笑っているような光景がいつもあり、その感覚にしっくりとはまっている自分が発見できました。決して走らない、ストリートドッグもゆっくりと安心して暮らしているような。

そしてもちろん、今回の毎日の楽しいイベントや体験はぺマさんはじめタシさんやワンディさんトーリさんたちの通常のガイド&ドライビングを超えたチームのサポートがあったからからであることは間違いありません。彼らは顔が良いだけでなく素晴らしい人間でした。感謝です。友達として今後も付き合える機会があれば幸いと思っており、そういう意味で、今回は地図で見ても西のごく一部の場所だけしか行けなかったので、できるだけ早い機会に今度は中央や東のほうも是非訪ねてみたいと思っています。私のブータンはまだ始まったばかりかも知れません。よろしくお願いいたします。

一般論を言ってしまうと観光インフラは遅れていて、帰りのバンコクでみなお土産をたくさん買っているのはいかにもブータンにとってもったいなく、ほかにトイレの美化とか観光地としての課題はまだまだたくさんあると思います。また道路の整備なくして観光の広がりはないと思うけど、その反面普通の国になってほしくない思いは強くあります。きれいで便利になったけど忙しく雑然とした街はブータンには似合わないでしょう。今回知り合うことができた皆さん、また次のブータン行きでご一緒しましょう。

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(2013年報告集より 報告者:中久保慎一さん)


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2013年06月27日

ブータン一の霊場、タクツァン僧院への参拝



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以前目にしたブータンの写真。印象的だった抜けるような青い空、色とりどりの旗、石段に腰かけた人が空を見ている。このイメージはどこでしょう?とガイドのぺマさんに聞いたら「ああ、タクツァンだよ、それは。」と教えてくれたので、山登りが好きな私はこの旅のほぼ最後に計画されているタクツァン僧院行きがとても楽しみとなっていました。3月24日、日曜日、いよいよ旅の8日目の朝、やった、快晴!

8時にバスでホテル出発。30分ほどで出発地点に到着。まさに登山口のような雰囲気で、すでに標高2500m(高度計まで持参しました)。杖は1ドルで売っています。ツアーメンバー13名にガイドのぺマさん、タシさんで合計15名。トレッキングファッション、キラに軽やかなスニーカー、お遍路風、とそれぞれ皆個性も十分です。

さて、元気に出発後、しばらく林が続く道は暑くも寒くもなく時折心地よい風が吹き、すぐに皆それぞれのペースとなり、景色を楽しみながら、おしゃべりをしながら山道を行きます。ところどころ経文の旗ダルシンやルンタが木々を縁取っています。途中カナダ、ドイツ、そしてポルトガルからの来訪者と後先交錯しながら声をかわしたり、時折休憩し水を補給したりして雰囲気を楽しみながらゆっくりと登ります。

時々メンバーの状況を見渡すと、大体みなさん順調に歩みを進めている模様。だんだんダルシンやルンタの本数も増えてきて木々の緑も濃くなり、太陽は燦々と輝き人々の影を映し出し、少し汗ばむほどの心地よい陶酔感さえあります。回りも眺望がだんだん良くなり、かなり前方の峰の上の方にあの僧院が見えました。おお、あれか!でもまだまだ遠いね。

結構上りはきつく、まだまだ先は長そうだけど、そこに近づいていける楽しみもどんどん増してきます。ゆっくりゆっくり。マイペースが大事。そうこうして雰囲気を楽しみ眺望を楽しみ、時々一緒になる仲間とワイワイやりながら歩いていると、前方に第一目標のカフェが見えてきました。

カフェまではぺマさんの言うとおりざっくりと1時間でした。メンバー全員ここでまた揃い、良く登ったねーと元気をたたえ合って、無料のお茶とお菓子を楽しんで休憩した後、また僧院めざして歩きます。無理しない人はここで皆の帰りを待つという予定でしたが、メンバーすべて脱落者なくさらにGo up!

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ここから山道は少しきつくなり、しばらく息を整えながら休みも取りながら登り続け、3000m越えの標高となりいよいよ前方の崖の僧院を見下ろすような展望台のところまで上がると急に目標が近くなってきました。山に立つ僧院は目標の僧院以外にもいくつか点在し全部で13あるそうです。よくぞあんな険しいところに作ったという感じですが、何と言ってもあのグル・リンポチェが8世紀に虎の背中に乗って来たのですから、山の至るところに散らばっていてもそれは当然なのでしょう。

さて、ここから道は崖沿いに下って、階段が多くなり今度はかなり下の方も見えてきます。ここで下るのは少し損な気もしますが、道は続き景色は広がり陽光は惜しみなく降り注ぎ青い空はどこまで青く、風がそよぎルンタはまたまた増えカラフルにはためきます。上も下も色とりどり。ちょうど以前見たあの写真のシーンの再現でした。至福。しばらく降りていくと滝があり、水しぶきが飛び雰囲気よく道はどこまでも続きます。僧院は向こうの崖の中腹。谷間をまたぐルンタがはためきます。

さて、崖を降りきり、今度は登り階段を粛々と進みます。ここまで来るとほぼゴールまで計算でき、マイペースを崩さずゆっくり進みます。登り切りのゴールは僧院の門。先着のメンバーが後からの人を拍手で迎えます。みんな笑顔笑顔、しんどいけど満足感いっぱいです。ここまでカフェから約1時間半。

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普通の山登りだと休憩後下りですが、今回は、ここからが本当の訪問場所。僧院の門の中は写真も杖も禁止であり、荷物はまとめておいていき、身軽になり、さらにみんなで階段を上っていき僧院の中に進みます。いくつかの部屋があり、靴を脱いでお参りします。グル・リンポチェ乗虎の像、仏陀、生まれ変わりの高僧、涅槃図、虎の穴、ブータンの人は皆狭い中、五体投地でお祈りをしています。部屋が狭いのでそれぞれ順番を別にして回ります。説明を聞きたい人はタシさんと一緒。約40分ほど僧院内で過ごし、また門のところに戻ります。まだお昼過ぎ。

さあ、今度は帰り道。僧院の門から階段、崖道を下り、帰り唯一の登り道があちら側の展望台まで続きます。太陽は真上、結構の登り道で暑くてみんなゆっくりペースで進みます。はためくルンタ、涼しさをありがとう。最高点の展望台まで登ると、あとはカフェまで下り道。みんな名残惜しい写真を振り返り撮りながら自分のペースで歩き続けます。さすがに若い人は速いです。1時間ほどでカフェに到着しました。ここで昼食をとります。程よい疲れと達成感で料理もおいしい。しかし、まことに残念ながらアルコール類はおいてありませんでした。ここでリフレッシュした後は、もう軽やかに下り道をトコトコと進みます。私も途中高校生のR君とショートカットの道なき道を下ったりと、遊びながら楽しんで降りて行きました。

ほとんどみんな笑顔の中登山口までは30分ちょっとでした。ちなみに、途中の道端で仏教関連中心にお土産物を売っていますが、ここのものは街中の約半値でありました。関心がある方はのぞく価値あるかもしれません。

天気、気温に恵まれ、全員が楽しんで山行参拝を終えることが出来ましたが、あらためてあえてあの聖地に作られたタクツァン僧院に自分の足で苦労してお参りに行くこと、そのことによる功徳というものも少し実感できた気がしました。

中久保慎一(ブータンGNHツアー2013春参加)

2013年06月26日

旅の感想【2013春GNHツアー報告集より】

私は今年大学の卒業を前にこのブータンツアーに参加させて頂きました。国際協力について学んだ4年間、自分が目指したいのは地球に住むみんなが仲良く生きること、そのためにはまず自分の目の前の生活を見直すことだと感じていました。消費生活やお金を稼ぐことが身近になる社会人になる前にブータンに行けたことは、これからの自分の在り方にかなり大きな影響を与えました。ブータンも経済発展が進み、若者が都会に憧れることも当然ありますが、チベット仏教や豊かな自然が土台にあるブータンの人々は私達とは違う心の豊かさを持っていると感じました。ドルジおじさん宅に訪れた際、ドルジさんにとって幸せは「たくさん作物が収穫できて、それを人に分けてあげることが出来ること」と言っていました。当たり前のようにさらっとそのようなことをいうドルジおじさんを見て、私にとっての幸せは何なのだろうと改めて考えさせられました。今社会人になり、ブータンとは程遠い生活をしていますが、ブータンの人々から学んだことをずっと忘れずに、自分自身の生活を少しずつ近づけていけたらなあ、と思っています。

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(2013年報告集より 報告者:皆川真理恵さん)

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