2014年11月05日

熊本あさぎり町より:オーガニック和綿収穫祭!

今、世界中で、コットンが問題になっています。グローバル化されたシステムのなかで、衣の消費型文化は、綿の大量生産を促し、その過程で大量の農薬、除草剤が使われてきました。さらに、近年では効率化のための遺伝子組み換えコットンが登場。なんと流通している95%をも占めています。綿の多様性、地域に根差した綿の栽培、手紡ぎの文化が風前のともしびです。

そんななか、偶然にも、ブータン東部チモン村、そして日本の熊本県あさぎり町須恵で「よみがえるオーガニックコットン」を合言葉に綿花栽培の復活に取り組むプロジェクトが誕生しました。ブータンGNHブログではおなじみのペマさんこと、ブータン・エンシェント・ツアーズ&トレックのペマ・ギャルポさんが今年3月に来日された際にも、あさぎり町を訪問、コットンな交流を繰り広げました。>>レポートを読む

そのあさぎり町から、収穫祭のレポートが届きました!

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あさぎり和綿集合.JPG


熊本県あさぎり町須恵の「和綿の里づくり会」の田中一彦です。
10月28日に須恵で和綿の収穫祭がありました。僕も福岡から駆け付け、夜の打ち上げまで楽しく充実した1日でした。

15アールの畑に、須恵小学校の全児童(57人)と先生、老人クラブ、精神、身体障害施設、老人ホーム、綿を糸から製品化まで引き受けてくれる 縫製工場「マインド熊本」(本社は岐阜)、畑を無償提供した個人らの「和綿の里づくり会」のメンバー、それに賛同した農業高校の女子生徒、身体障 害者のために電動の綿繰機を開発した工業高校の男子生徒ら、総勢170人というすごい収穫祭になりました。

あさぎり収穫1.JPG


去年の初回は栽培に失敗して、収穫はたったの2・8キロでしたが、今回は24・4キロ。7キロの事前収穫があるので計31・4キロと10倍以上。

団体別では、20人参加の老人クラブと「つつじヶ丘学園」という障害施設が各5・5キロと頑張りました。さすがお年寄りは働き者ですね。年明けまで2週間に1回程度収穫して、目標は100キロということです。

あさぎり収穫3.JPG


収穫もうまくいきましたが、和綿の里づくり会も順調に成長しています。種まきから除草、収穫まで参加がだんだん増えていますが、基本は「スロー、スモール、サスティナブル」。

それに、人と人、人と自然のつながりが薄れる現代において、須恵独特の言葉である支え合いを意味する「はじあい」と、昔の共同労働「結い」を表す「かちゃあ」を、もう一度紡ぎ直そうという理念も、身の丈に合った活動を、というスタンスも変わりません。

自由に加わった参加団体が老若男女、健常者障害者、異業種と、会の構成が恐らく全国どこにもないユニークなことと、現在のところ補助金に頼らず手弁当の活動という方針は、会のメンバー全員が共有し続けています。

あさぎり収穫 2.JPG


今、須恵あるいはあさぎりブランドとして販売する方向で、ブランド名を公募中です。製品は、これも地元で栽培する紫紺を使ったものを開発中です。乞うご期待!

それに、11月2日に出発したナマケモノ倶楽部のブータン東部ツアー訪問一行に、須恵の和綿の活動と、ブータンと須恵がそっくりの写真を使ったアルバムを運んでもらいます。今年3月に須恵で開いたペマとの交流を継続したいとの願いです。

各地の活動とも連動して続けていければと思っていますので、収穫の報告、よろしくお願いします!
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