2015年01月15日
【コラム】チモン村、ありのままの生活part2
みなさん、こんにちは。ナマケモノ倶楽部の馬場です。
第4ブータン国王(現国王のお父様)が1970年代に「ブータンはGNPは低いかもしれないが、GNH(国民総幸福)は高い」と発言したことで注目された「しあわせ」「豊かさ」。今では国連も持続可能な開発の指標に「しあわせ」という項目を入れたり、世界中で人間の「しあわせ度」を見える化しようと様々な統計が発表されたりと、人間の精神的充足度が重視されるようになっています。
ブータンの暮らしぶりにそのヒントを見出そうと、世界中から訪れる観光客は年々増えています。そのなかでも日本は歴代ベスト3に入る超お得意様!?
しかし、その日本人はもちろん、他の外国人もほとんど目指さないニッチで、しかし、本当の豊かさが垣間見られるブータンを旅するのが、ナマケモノ流GNHツアーなのです!
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チモン村、ありのままの生活part2
荒井絵理菜(ブータン東部GNHツアー2014冬参加者)
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そんなチモン村では、コットンの収穫のお手伝いもさせてもらったのだが、コットンを育て、収穫し、つむいで染色し、反物にしていくどの工程も、熟練した人の手とこの場所にある知恵によってなされていることに驚いた。
たとえば収穫したコットンの種を分ける“綿繰り機”も、コットンをつむいでいく“紡ぎ機”も、どれも木と紐によって手作りされている。工程の中でも紡ぐ作業がとても難しいらしく、今はできる人が年配の3人の女性しかいないことが、今の課題だとペマさんは言っていた。その地にもともとあったコットン文化がなくなって40年という時間は、文化そのものの伝承を難しくしているのだと考えさせられた。
私がチモン村で印象に残っているものの一つに“食べ物”がある。毎回、ペマさんのお兄さんが作ってくれるご飯は、どれもこれもおいしくて、おかわりばかりしていた。海外に行くたびにお腹を壊していた私としては、驚くほど体調もお腹の調子も良かった。
それは、村でとれるものはすべて化学的な薬品が使われていないこと、鳥も平飼いでのびのびと生きていることにあるのだと感じる。化学的なものを知らないから、当たり前に使わないこと、人間だけがのびのびしているのではなく、自然の中で人も動物も虫も一緒に生きていることが、食からも伝わってきた。
ニワトリの鳴き声で起き、マニ車を回して鐘の音に耳を傾け、山並みの景色も、遠くまで続くトウモロコシ畑も、日が昇り沈む空も、何度見てもその美しさに感動する。電気のつく部屋の中へ入らず、外でたき火を囲み、いつまでも一緒の時間を過ごす。
チモン村での時間は、私に、大切なことはなんなのかを、考えさせてくれた。
posted by GNH at 23:03| Comment(0)
| 東ブータン
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