2011年08月21日

しあわせのための学び〜ブータン訪問記 二葉晃文

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(右が筆者。左はブータンを案内してくれたガイドのペマ)
5月に初めてブータンを訪れた。数年前から「幸福な国」の様子をいろいろと聞いていただけに、バンコクから飛び立つ時には「国民総幸福の国にいくんだ」と完全に「マインドセット」していた。

ところが、飛行機に乗り込んだ時から「あれ?」という光景に次々と出くわしてゆく。

笑顔のないフライトアテンダント、ロボットが読み上げるようなゾンカ語のアナウンス、無表情で働く入国審査官と税関審査官、レストランの給仕をしながらテレビ番組を大きな音で聞いている者、ファームステイした夫婦の街に住む娘に、受話器を通して「Give me money」といわれ、思わず聞きたくなった。

「あなたは幸せですか。」

どうやらこの質問に「もちろん」と答えてくれる人は、街で労働の対価として賃金をもらっている人にはたくさんいないらしい。

街を出て農村に向かうと、「幸福度」が増していく事は、人々の顔をみると手に取るようにわかる。特に子どもたちのはじけるような笑顔はどこにいっても鮮やかで、日本の街角ではあまりお目にかからない。

総理大臣ジグメ・ティンレーさんがおっしゃった言葉を思い出した。

「6ヶ月かけて全国の学校を回り、皆が幸せになるための勉強とはどのようなものかを先生や生徒達と話しあってきました。ある生徒がこういいました。

『いままで私は自分が「満足」していることが「幸せ」だと思っていました。でも学校で「幸せ」を話し合う中で、「自己満足」と「幸せ」が違うことに気がついたんです。みんなが「幸せ」でなければ私も「幸せ」になれないことに。だから今までずっと身につけていた母がくれた美しいネックレスと一緒に「自己満足」を外す事にしたんです。』

数学や科学やどんな科目も「みんなの幸せ」のことを考えながら勉強できるように学校の先生達と話し合った結果が、このような言葉になって生徒の口からでたことはとても嬉しい。もちろん私が首相だからこんなことを言ってくれたのかもしれませんがね。」
大臣の笑顔が忘れられない。

私もこれからは「自己満足」のためではなく、「しあわせ」のための学びを深めたい。
posted by GNH at 21:25| Comment(3) | GNHツアー
この記事へのコメント
ご無沙汰しております。やっと最近、自己満足を外さざるを得なくなって来ています。何処からか解らず、仕合せられているようです。
 褌 そろそろでしょうか?送り先住所を無くしてしまいました。本当にすみません。
池末 隆
Posted by 池末 隆 at 2017年09月25日 12:00
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