船山 由香里(ブータンGNHツアー2012春・ツアーリーダー)
昨年の国王ご夫妻の来日で、一気に注目を集めた“幸せの国ブータン”。連日その様子がテレビに映し出され、ブータンという国についてはもちろん、「国民総幸福量(GNH)」という概念についても紹介されました。
ナマケモノ倶楽部のブータンGNHツアーは、2007年に始まり、今回で6回目だそうです。今回は2月29日から3月7日までの8日間、17名の参加者(男性2名、女性15名)と一緒にブータンを旅してきました。参加者は全国各地(北海道から九州まで)から、年齢も20代〜70代までと幅広く、しかも、事前情報によると、みなさん各地で様々な活動をされている様子。どんな旅になるのか、わくわくしながらブータンへ出発しました。
悪天候のため大幅に着陸が遅れたものの、飛行機は無事にパロ空港に到着。迎えてくれたのは、ナマクラGNHツアー第1回よりガイドを担当しているペマさんです。私は2度目のツアー参加で、以前ペマさんのお世話になったことがあるので、その顔を見た瞬間、「ブータンに戻ってきた!」と急に実感がわき、うれしくなりました。
ツアープログラムは、仏教寺院・僧院の訪問(標高の高い所にあるため、行き帰りのハイキングも楽しめます)、お祭り見学、伝統治療院訪問(体調の優れなかった参加者は実際に診察を受けました)、イビサ村散策(美しい棚田の風景)、民家訪問(おいしいバター茶をごちそうになりました)など盛りだくさん!
そして、ツアーの醍醐味ともいえるのが、「GNHとは?」−その理解を深めるためのインタビューです。今回はゲストに政府のGNH委員会、環境委員会の役人の方々、県知事を迎え、お話を伺うことができました。ブータンがどのような発展を目指しているのか、そのためにどのような政策がとられているか…。お話のあとは、参加者からもたくさんの質問が出されました。首都ティンプーのごみ問題についての質問もあり、ブータンでも進む近代化、環境汚染などの現状についても聞くことができました。
ブータンの至る所で見られるダルシンという縦長の祈祷旗があります。旗には経文がかかれており、風に吹かれる度に、祈りが広がるそうです。この国には、生きとし生けるすべてのものへの祈りが満ちている、ブータンの人々の笑顔に出会う度、本当にそう感じました。
東日本大震災のあと、ブータン国民が日本のために祈りを捧げてくれたといいます。その祈りを、新たな日本を創りだすためのエネルギーに変えていきたい、そう思いました。わたしたちは10年後、20年後にどんな未来を望んでいるのでしょう?ブータンの人々がGNHを軸に発展を模索する姿には感動を覚えました。その姿から、私たち日本人が学ぶことはたくさんありそうです。まずは「幸せとは何か」、改めて問い直していくことが大きな一歩になるのではないでしょうか。
旅の思い出をここにすべて綴ることはできません。現在報告集を作成中ですので、そちらを楽しみにお待ちいただければと思います。4月21、22日のアースデイには、ナマクラブースにて、ツアー参加者がブータンの民族衣装を着てお待ちしております。一緒にお話しましょう!
2012年04月16日
祈りの国で考えた「幸せ」と「豊かさ」〜ブータンGNHツアー簡易報告
posted by GNH at 02:35| Comment(0)
| GNHツアー
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