2012年11月24日

ブータンGNHツアー・2012秋簡易報告

みなさん、こんにちは!久々の投稿になります。9月のブータンGNHツアー、現地からこのブログへの投稿を試みていたのですが、1日目はリアルタイムでアップできたものの、通信状況が悪く、2日目以降のレポートはなぜかアップできてないままの帰国となりました。

気を取り直し、まずは全体の簡易報告から。そして、ツアー参加者によるトピックごとの報告は、短く、連載形式にしてお送りします!

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

GNHの国・ブータンでみた「関係性」
事務局・馬場直子


DSCF0319.JPG


9月16日〜23日までの6泊8日、学生4名を含む16名で、ブータンGNHツアーに参加してきました。参加者の年齢や居住地、バックグラウンドが様々なことがナマケモノツアーの最大の魅力。今回も医療従事者、自治体職員、ふだんはちょっと忙しいお仕事の方、引退されて娘と一緒に参加された方、GNHを伝える幼稚園の先生になりたい!という夢をもった大学生などのメンバーに恵まれました。

パロでは最初にキチュ・ラカンという古寺を参拝。壁に連なるマニ車をぎこちなく回しながら、旅の安全と学び多きものとなるよう祈りを捧げます。安置されている仏像は日本のものとも共通点が多いらしく、仏教に詳しい方は「ああ、xx観音だ」と反応していました。

DCIM0019.JPG


昼食後、歩いたティンプー市内で印象に残ったのはロイヤルブーム。飛行場はじめホテル、レストラン、あらゆる場所で第五代国王夫妻の等身大の看板が入口に掲げられ、お店では中睦まじく並ぶお二人を写した缶バッジが売られていました。

今回もブータン社会を構成する様々な方に直接お話を伺えたことは貴重な体験でした。GNH委員会のお話からは、「GNH(国民総幸福)」という数値では表しにくい尺度をどう可視化させるかについての取り組みを学ぶことができました。伝統治療院では、朝いちばんの診察を受けようと、村のおじいちゃん、おばあちゃんたちが中庭のベンチに座っていました。日本のコンクリートに囲まれた待合室よりも開放的で、テレビや週刊誌が置いてなくとも時間を待てる文化がそこにありました。プナカ県知事は穏やかで控え目な方でしたが、「プナカでできること」「プナカのためになること」を考え、取り組んでらっしゃる印象を強く受けました。

DSCN0141.JPG


プナカ郊外にあるイビサ村では、5軒の家に分かれてブータンのふつうの暮らしを体験させていただきました。バスを降りてから、吊り橋を渡り、子ども時代を思い出しながら小川を跳び超え、田んぼ道をずんずん進むと、突如視界が開け、家屋に畑が目に入ります。低めの石垣で囲われた敷地には二階建ての家屋があり、鶏や牛もいます。ホストファミリーの子どもたちと一緒に遊んだお家、親戚に人が出入りしてどこまでが本当の家族か最後まで分からなかったお家、噛みタバコやどぶろくを試してみたメンバー、踊りの交換をしたメンバーなどなど。家屋も生活もとても質素でしたが、自給率の高い食卓に羨ましさも感じました。

DSCF0214.JPG


ティンプーでは、ツェチュ祭の前祭にあたるドムプチェ祭に参加しました。国王陛下の後ろ姿を至近距離で拝見できるという幸運にもめぐまれ、みなのテンションも上がります。ブータン市民に交じって石畳の階段に腰かけ、仮面舞踊を3つほど見学しました。一人ずつ数が増えていく円舞。カラフルな衣装でくるくると回るので見とれてしまいます。宗教的な意味をもつ祭礼なので拍手はなく、みんな淡々と進行を見守っていました。隣に座ったブータンの若者と連絡先を交換したり、おしゃべりする参加者もいました。

そのあと向かったパロでは、専業農家のドルジおじさん宅を訪ねました。夕方でしたが、お目当てのおじさんはなぜか外出中で、お母さんと赤ちゃんが生まれたばかりの娘さん、専門学校で会計学を勉強中のツェリンさんにインタビューしました。英語が堪能で、将来はキャリアを積んで成功したいと考えるツェリンさん。彼女の中では女性の社会進出とGNHは両立していて、自分が内面的にGNHを精進しているからこそ、社会的・経済的にも成功することができる、GNHなしに成功することはないという考えでした。自分の両親を=教育を受けていないと卑下しているようで、自分はそうはなりたくない、もっと広い世界へ飛び出したいという若さあふれる熱意がひしひしと感じられました。

DSCF0296.JPG


最終日に挑んだブータン一の霊場、タクツァン僧院(標高3000m)。あそこまで登れるのだろうか?と事前に不安を覚える方もいましたが、全員笑顔でゴールできました。団体の長所を活かし?、先頭に向かって、あるいは後ろに向かって「ヤッホー!」と声をかけあいながら、カフェテリア、そして最後の僧院をめざします。よく写真でみるあの断崖絶壁まで「登れた!」という達成感は格別です。また、道中、ごみをみなで拾いながら登ったので、駐車場まで戻ったら相当のごみを拾い集めたことに気付きました。みな、自然と笑顔がこぼれます。

一週間の旅を通して、個人的には、ブータンの人々は、お金やモノといった一時的なものに左右されない内面の強さを持っているように感じました。無条件で相手をもてなす、年上を敬う。こういった心持ちは私たち日本人にもそうかけ離れた感覚ではないはず。

コミュニティの再生は日本でも課題になっていますが、リアルなコミュニティとナマケモノ倶楽部のようなもう少し広い感覚のコミュニティ、その双方がうまく機能していくと、現代社会にうずまく不安、疑心、競争心、独占欲が薄れ、関係性がより濃くなっていくのかなと思いました。
posted by GNH at 19:28| Comment(0) | GNHツアー
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: