2012年12月28日
辻信一さんより:東部ルンツィ県で考えた「遅さ」
12月28日執筆(フェイスブックより転載)
今、11月に続いて、ブータンの東部を旅している。プナカという西部の町には、珍しい仏教の儀式が行われていて、有名なラマ僧たちの祝福を受けようと、なんと20万人が集まっているという。そのせいか、どこへ行っても、ちょっと普段より人がすくないような・・・。20万というのが本当だとするとブータン人の3人から4人にひとりがその大儀礼に出ていることになる。そしてこの儀礼、21日間続くのだ。
田舎を旅すると、ブータンの人々の歩く速度の遅さに改めて感動する。まるで歩くことが瞑想であるかのよう。
ブータン北東部のルンツィ県では、縁あって、すばらしいラマ僧、リンジン・ロンヤン師を訪ねることができた。彼は繰り返し、「ゼモートル(小さい)」という言葉を使った。小さい田舎に住む自分のような小さい人間の小さい考えを聞きにわざわざこんな遠隔地に来てくれたあなたに敬意を表します、というふうに。
彼は例えばこう言った。人生において仕事には終わりがないように見える。そしてあくせくとその仕事に追い回される。でも、一日の終わりに、そして人生の終わりに、ふと自問してみる。自分がしてきた仕事とはいったい何だったのかと。これがたぶん、人生で最も難しい問なのかもしれない。
その日の終わりに別れの挨拶とともに、ラマ僧はこう最後に付け加えた。忙しい人生を送るかどうか、それはあなた次第なのです。あなたが忙しくない人生を選べば、あなたの心は平和で、自然も神々も、みな幸せでしょう。あなたの心に平和がありますように。
posted by GNH at 17:49| Comment(0)
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