みなさん、こんにちは!8月も終わろうとしていますね。
ブータンでも気持ちの良い夏が終わりつつあり、実りの秋へと変わっていきます。
そんななか、11月の東部ブータンを訪ねるツアーを企画中です!テーマは「オーガニックコットン」。
チモン村で開花しはじめた在来のオーガニックコットン
全土オーガニック化、GNHを提唱しているブータン。
一方で近代化が進み、現在国内で使われる民族衣装も含む布製品のほとんどがインドなどからの輸入の遺伝子組み換えコットンです。
変わりゆくブータンのなかで旅の案内人、ペマ・ギャルポさんは、2012年から出身地でもある東部奥地のチモン村を舞台にオーガニックコットン文化を再生させる運動「チモン・モアン」を進めてきました。
チモン・モアンの代表は、GNHツアーを一緒に企画するペマ・ギャルポさん(左)。
今回のツアーでは、復活したオーガニックコットン畑を訪問し、綿花の収穫、更に手織りワークショップに参加!さらに、伝統祭事「ペマ・ガッツェル ツェチュ祭」を見学、世界一ゆっくりな村・チモン村でのホームステイも体験します。
東部ブータンに40年ぶりに復活したオーガニックコットン畑で、フェアトレードやローカリゼーションについて現地の人たちと語りながら本当の「豊かさ」「幸せ」を問い直しませんか?
>> ツアー詳細はこちら! http://www.sloth.gr.jp/events/eastbhutantour2014schedule/
過去の東部ツアー参加者が描いたチモン村についての本、『ブータンが教えてくれたこと』。
2014年08月22日
よみがえるオーガニックコットンを訪ねる旅〜ブータンGNH東部ツアー2014冬
posted by GNH at 21:33| Comment(0)
| 東ブータン
2013年08月09日
ペマ父の憂い~開発の恩恵と文化衰退
チモン村2日目の夜。みんなで楽しく踊り解散後火を囲みペマのお父さんに、お父さんの本音の部分を聞くことができました。
ペマ父:文化は教育を受けているからなくならないと政府は言っています。しかし、開発を進めている一方で文化を守るという声は出てきません。教育を受けている若者たちは先輩やお客様たちに対する敬意が欠けています。文化は存続していくと思っていたけど、それを見ていると現状はかなり厳しいです。
例えば今も文化の存続とうたっているけど、何があるのか。ゴを着ているとかキラを着ていることだけではないか。今の政治家はみんな若いし国王も若くて昔と今を比べたら大きな違いを感じざるを得ない。私は危険を察知している。非常に危険な状況である。しかし、きっとすべてはうまくいくだろう。
私は2代目の国王の時から知っている。その時と比べると変わってしまった。例えば、男と女は男はこういう風に行動する。女はこういう風であるべきだと昔ははっきりしていた。ゴとキラは当然だけど、髪の毛も女性は今よりずっと短い髪の毛をしていた。男もさらに短い髪型をしていた。
男は常に3つのものを持っていた。その3つとは、ナイフ、一枚の布、カップ(杯)です。ナイフは敵を退治する男の勇気を表しています。カップは誰かが友人である印に飲み物をくれたときにそれを受け取って飲むときに使います。布は誰かが食べ物をくれたとき布を出してそれを受け取るために使います。その3つは男である要素を示しています。しかしそういうものも失ってしまいました。
女性が髪を長くするというのは当然としても、なんと最近は男でも女以上に髪を長くしています。こういうのを見ると時代も変わってかつてのブータン人としてのアイデンティティが失われていると言わざるを得ません。
辻:昔よりいいことは何かありますか?
ペマ父:昔より良いことは電気と道路です。電気が来ることによって夜も昼のように明るく色々なことができます。私は早く生まれすぎましたかもしれません。しかし、過去と未来が両方見られる時代に生まれたことは幸せです。
あなた達に会えたことも開発のおかげです。私はあなた達に会えてとても幸せです。私だけではありません。村人みんなが幸せに思っています。しかしその開発が私たちの伝統を損なっているのかもしれません。だから、私は混乱しています。我々は大事なことを忘れてしまっているかもしれない。私は混乱していますが、とにかく今晩あなた達と一緒にこうしていられることを幸せに思っています。
私はあなた方がどういうところに住んでいてどういう場所に所属する人か私は十分に想像することはできません。私がブータンの近隣に行くにもすごく時間がかかるのにあなた達は聞くところによると飛行機というものでやってきたと聞きます。私にはそれもわかりません。この出会いは神様が望まれたとしか思えません。いったいいくつの国を越えてやってきたのか。大変な苦労して困難を越えてここに来られたのだろう。そのことにわたしは敬意を表したいです。
★チモン村を訪れる、2013冬ブータンGHNツアー。詳細はこちら★
ペマ父:文化は教育を受けているからなくならないと政府は言っています。しかし、開発を進めている一方で文化を守るという声は出てきません。教育を受けている若者たちは先輩やお客様たちに対する敬意が欠けています。文化は存続していくと思っていたけど、それを見ていると現状はかなり厳しいです。
例えば今も文化の存続とうたっているけど、何があるのか。ゴを着ているとかキラを着ていることだけではないか。今の政治家はみんな若いし国王も若くて昔と今を比べたら大きな違いを感じざるを得ない。私は危険を察知している。非常に危険な状況である。しかし、きっとすべてはうまくいくだろう。
私は2代目の国王の時から知っている。その時と比べると変わってしまった。例えば、男と女は男はこういう風に行動する。女はこういう風であるべきだと昔ははっきりしていた。ゴとキラは当然だけど、髪の毛も女性は今よりずっと短い髪の毛をしていた。男もさらに短い髪型をしていた。
男は常に3つのものを持っていた。その3つとは、ナイフ、一枚の布、カップ(杯)です。ナイフは敵を退治する男の勇気を表しています。カップは誰かが友人である印に飲み物をくれたときにそれを受け取って飲むときに使います。布は誰かが食べ物をくれたとき布を出してそれを受け取るために使います。その3つは男である要素を示しています。しかしそういうものも失ってしまいました。
女性が髪を長くするというのは当然としても、なんと最近は男でも女以上に髪を長くしています。こういうのを見ると時代も変わってかつてのブータン人としてのアイデンティティが失われていると言わざるを得ません。
辻:昔よりいいことは何かありますか?
ペマ父:昔より良いことは電気と道路です。電気が来ることによって夜も昼のように明るく色々なことができます。私は早く生まれすぎましたかもしれません。しかし、過去と未来が両方見られる時代に生まれたことは幸せです。
あなた達に会えたことも開発のおかげです。私はあなた達に会えてとても幸せです。私だけではありません。村人みんなが幸せに思っています。しかしその開発が私たちの伝統を損なっているのかもしれません。だから、私は混乱しています。我々は大事なことを忘れてしまっているかもしれない。私は混乱していますが、とにかく今晩あなた達と一緒にこうしていられることを幸せに思っています。
私はあなた方がどういうところに住んでいてどういう場所に所属する人か私は十分に想像することはできません。私がブータンの近隣に行くにもすごく時間がかかるのにあなた達は聞くところによると飛行機というものでやってきたと聞きます。私にはそれもわかりません。この出会いは神様が望まれたとしか思えません。いったいいくつの国を越えてやってきたのか。大変な苦労して困難を越えてここに来られたのだろう。そのことにわたしは敬意を表したいです。
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posted by GNH at 18:00| Comment(0)
| 東ブータン
2013年08月08日
焚き火トーク:チモンの自給的な暮らし
2012年11月ツアー報告集より。
<チモン村の経済について>
Q.電気が通ったら、月いくらくらいのお金が必要になりますか。
ペマ父:電気の基本料金は月100ヌルタム(2ドル、160円)くらいです。ここでは一日働いても100ヌルタムしか稼げません。
辻:先ほど収穫の手伝いや家を建てることを手伝っても、1日2ドルしか稼げないと言っていました。この村には現金収入を得る仕事がほとんどありません。
Q.他に現金が必要なことは何ですか。
カルマ:塩、調味料、米、油、乾燥させた魚、石鹸などです。その他誰かが狩りで肉をとった場合はそれを売り買いします。お米は普段食べていませんでしたが徐々に増えてきています。この村では水が足りないので陸稲を作っていますが自給には足りません。普段食べているお米はインド産で、月の米代は1袋40s1400ヌルタムです(28ドル、2200円)。月3人で1袋消費します。
Q.ここで毎日ごちそうを色々な人に作ってもらっていますが、お金はどうなっているのですか?
辻:村の人が持ち寄って食材を持ってきています。それに対してのお金を払っていません。別の意味でペマが村の人たちにプレゼントとしてお金を渡しています。
カルマ:野菜に関しては誰のものではなくて、自由にとって持っていってよいことになっています。全部自給用です。このことでお金をやりとりすることはありません。この村はオレンジとバナナが有名で少し収入を得ることができます。
Q.誰に売るのですか。
カルマ:村の人に売りますし村の外の人にも売ります。お金で買ってもらうこともありますし、お金がないときは物々交換することもあります。
Q.価格はどうやって決めるのですか?
カルマ:買い手が決めます。消費者の数によって値段が決まります。
Q.品質で値段は決まらないのですか?(たとえばこのバナナは甘いとか、甘くないなど)
辻さん:需要と供給のバランスで決まります。需要が高ければ値段も高くなります。
カルマ:この村では卵1個8ヌルタム(約13円)です。村の外では10ヌルタム(約16円)で売ります。この村には2種類の豚がいます。小さい耳の豚は1s170ヌルタム(約270円)で大きい耳の豚は1s160ヌルタム(約255円)です。鶏肉は1s150ヌルタム(約240円)です。
※1ドル=50ヌルタム=80円(2012年11月のレート)
Q.洋服は買うのですか?
カルマ:国境で買います。村の誰かが国境に行くときに何かほしいものがないか尋ね買ってきます。
ゆりさん:中央の田舎でトラックにいっぱい服が積んでありトラックのまわりに人が集まって買っていました。それは新しいことだと言っていました。
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posted by GNH at 16:39| Comment(0)
| 東ブータン